ミスターZは何者だ 理想の音色🎺

理想の音色🎺


トランペッターであればおそらくみんなそれぞれに理想とする音色があったりすると思う。

今回は、そんなマニアックなトランペット長編ネタをダラダラと書いてしまったので楽器に興味のない読者さんはスルーして下さいね🙇🎺✴

クラシックや吹奏楽の事はよくわからないけど、ジャズトランペットになるとあまりにもいろんな音色の奏者がいてそれぞれに魅力ある演奏を残してきているから、今まで自分にとっての理想の音色も常に変化し、悩みながら演奏してきた。

サッチモもマイルスもフレディーハバートもウイントンマルサリスも全然違う音だけど、それぞれに自分なりのスタイルがある素晴らしい音色だから、自分がどんな音を出して演奏するのかを自分なりに理解してまとめるのはjazzトランペッターにとって凄く難しい課題だと感じる。

楽器を演奏するなら何か目指す音がないと、説得力のない音色にしかならないので、数年前まではテレンスブランチャードとウイントンの音をよく聞いて参考にしていた。
どちらも使用楽器やマウスピース等、系統的には似ていると思う。

音色について考える以前は、ハイトーンが出しやすい事を重要視していたのでマウスピースはジャルディネリの12Cを使っていて、クラークのエチュードを練習に取り入れてからはハイFくらいまでは何とか出せるようになったけど、中低音の音色を重視するためハイBもでないのに覚悟を決めてback5Cに変更。

数年間はハイトーンが出せなくなったので、泣きそうな演奏になってしまったけど、アーバンを初めのページからさらうなどした甲斐もありアンブッシャーは安定してきた。
それからさらに音色を重要視するためにがんばってbackの1Bに変更し、5~6年かけてようやくマウスピースにもなれてきた。

そんな努力はしても、ウィントンやテレンスブランチャードの楽器はモネットなので、セルマーコーラス80Jではいくらダークな音色であっても、音色を似せるところまでは出来なくて、イントネーション的な真似事をするのが精一杯だった。

そんな数年前のある夜、父がテレビで昔の映画「チャイナタウン」を見ていて、偶然イントロのサントラを聞いた。

テレンスブランチャードが昔のアメリカ映画音楽をまとめたようなサントラアルバムを出していて、チャイナタウンを良い音色で演奏していたので、映画の曲は知っていたけれど、原曲のユアンレイシーによる演奏はとてもエレガントな音色で、それまで自分の中で乱立していた理想の音色を見事に打ち砕いてくれた。

結果、映画チャイナタウンはウイントンマルサリスやテレンスブランチャードではなくユアンレイシーのようなオーソドックスでいてエレガントな音色を出したいと考えるターニングポイントになった。

動画投稿サイトに、「チャイナタウン、オーケストラバージョン」が投稿されています、特にトランペッターにおすすめ動画です。

トランペッターのユアンレイシーはネットで検索してもあまり詳しく出てこないので、彼がどんなメーカーの楽器でどんなマウスピースを使用していたのか、今でもさっぱりわからないので、もしこのブログを読んでくれているトランペッターで詳しい方がいらっしゃるようでしたら教えてほしいです。

個人的には、音ぬけのよいbackのような気がします。

楽器といえば、不思議な事にチェットベーカーはback使ってもcorn使ってもチェットの音楽世界なので、録音された演奏聞いてるだけでの判断は凄く難しい💦
ただ、晩年のチェットがbackで演奏すると38Bにくらべて、太く枯れた魅力的な音が薄れてしまうように感じる事があったので個人的な希望としては、corn38Bかブッシャーだけをずっと使ってほしかった💧

お薬を買うために楽器売ったとか・・・💧

晩年のチェットベーカーの演奏を酷評する評論家連中が日本にいるようだけど、晩年は味わい深く、研ぎ澄まされたアドリブのメロディーラインで演奏しているので、間違いなく素晴らしい演奏です。

残念ながら
ジャズトランペット=派手でテクニカル

を期待する評論家には理解出来ないと思う。

特にバラード演奏にはムダなフレーズが一切なく空間とメロディーラインを生かした絶妙なプレースタイルがあり、私は晩年のチェットが好き。

最近彼の伝記的な映画もあったけど、サントラでのトランペット演奏を聞くと、やはり彼のアドリブはよほどのプレーヤーでない限り表面的なマネしか出来ないと確信した。

このブログが、たとえ僅かであったとしても、一部の評論家による晩年のチェットベーカー酷評に対するアンチテーゼになればいいなと思う。

マイルスの映画は、モネットらしき楽器が出てきた瞬間テレビのスイッチ切った。

この二人は特に、映画とかは見ずに自分の胸の奥深くに大切にしまっておきたい。

同じ38Bでも最近のトムハレルは、フリューゲルの音とトランペットの音が似ていて判断できないこともある💦
生音ならすぐにわかることも、録音して再生することになると管楽器の太さの違いまではなかなか出にくいのかもしれない。

二十歳くらいのときにZも38Bを吹いたことがある。
東京の楽器店に楽器を見に行ったとき、たまたまエリックさんが来店されていたのでサインをもらい、エリックさんにおすすめの楽器を紹介してもらったのが、cornの38B!エリックさんご自身で使用するか迷われていた楽器らしい。
その出会いがうれしすぎて、そく購入!
しばらく使ってみたけれど古い楽器なのでピストンがカシャカシャと音がなるのがどうしても気になってしまい使わなくなってしまった。
その後、キングの2055を買って10年くらい愛用した。
キングのトランペットは焼き入れしたベルらしく豪快な鳴りかたでマイクのりも最高だったので20代のほとんどはキングで演奏した。

かなり気に入った楽器だったけど10年使用するとピストンが磨耗してもどりが悪くなり、修理しても治らなかったので、黒いセルマーコーラス80Jに買い替える事にした、このモデルはジャズモデル、ジャズ専用に設計されただけあり、マーチン系のダークな音色を安定した音程で鳴らす事ができたので、楽器の系統は真逆になったけど凄く気に入ったので長く愛用した。

その後、十字屋トランペットセールのときにヤマハ6310ZSを試吹させてもらえる機会があった。
ハイトーンが凄く楽に鳴り、音質も重厚でありながら貴婦人のような上品さでいて、楽に音量もでるので、バテず楽に演奏できる事に感動し、そのあと3年くらいはヤマハを吹くことになった。
この楽器は本当に優等生的な凄みがあり防音されたスタジオでもマイクなしてよく響く音が出せた。欲を言えば、不思議な事にアドリブ吹くとセルマーほど瞬時にアイデアがわかず、セルマーに比べるとピストンが少しだけ重たくて速いフレーズは演奏しにくかった。

楽器としての完成度は凄いものがあったのでその後10年くらいはヤマハを使用する予定だったけど、ある日backからcommercialモデルが販売された。

backという楽器の印象は、吹奏楽やビックバンドで自分の隣りに経験豊かなback吹きがいると、魅惑的な音質という面では絶対に勝てないという経験が身に染み付いている。

だから、今までは反応の速さや豪快な鳴らしかたで自分の演奏スタイルを作りbackに対抗してきたけれど、もしも反応の速さを追及したモデルがあれば、いつかはほしいと考えていたときにバックのcommercialモデルが発売された。

究極のクイックレスポンス!

反応が早くて、ユアンのような魅惑的な音も鳴る。

うなされるほど使いたいモデルにだった、カタログに穴があくほど見続けた。
もの凄く値段も高かったので、買えないと諦めていたけれど運命のイタズラか?

この世には神が存在するのか✴

たまたま入った京都駅イオンモールの天理楽器店にcommercialモデルのラッカー太管があり、試奏させてもらったら店員さんに音色を絶賛され、その後嫁さんを連れて再び試奏させてもらい音色を確認してもらったら一言・・・

「全然違う❗」

ただ、ヤマハのほうが扱いには馴れていたし、値段も高かったので買わずに帰ろうと思ったら・・・・


「あの楽器あんたに吹かれたいって言ってたで・・・」

と 突然言い出した💦


普段、嫁さんはそんな事言わないので驚いたけれど、良い楽器は魂を持って生きていると私は信じているので、購入を決断した❇


購入したその日は、たまたま自分の誕生日だった。


一生この楽器を愛用したいと考えているけど、嫁さんにはバカにされる💧

「あんたの一生は何回あんの?」


!Σ( ̄□ ̄;)🎺



気をとりなおして・・・💧


Cornの38Bはセルマーを購入するときの下取りとして出してしまった😢

エリックさんに申し訳ない🙇


今思い出せば、本当に手元に置いておけば良かったと後悔😢
その後、チェットベーカーやトムハレルのアドリブスタイルが自分の理想になるなんて、若い頃は気がつかなかった💦


ジャズトランペッターに人気の38Bも、あれは戦車みたいで合わないというジャズトランペッターの実力者もいる。

backではなくヤマハのゼノ系だって素晴らしい音を出す人がいる、backのストラディバリウスをさらに重厚にしたような音色で1年くらい前に横で聞いていてびっくりした💦

Zの友人で、backで凄く良い音色でハイレベルな演奏をするテキサス出身のトランペッターがゼノが欲しいと言ってた事もあった。
テキサスでも有名だったらしい💦

その後、「ゼノってヤマハなの?」
っていう質問をされてびっくりしたけど、
それくらい有名らしい。

理想の音色とは、結局自分の演奏スタイルに合っていて、自分が納得できる自分らしい音なのかが重要な事なのかもしれない。

ライブ告知します。

7月はドープスターズ

神戸のチキンジョージで演奏させていただきます。
4バンド出演します。
open1630start1730
料金前売り3000円、当日3500円プラス1ドリンク。
ドープスターズでは、TCヘリコンvoiceliveplayをトランペット用のエフェクターとして使用します。
ほぼプリセットから選んで使っていますが試行錯誤の結果、最近まとまってきました。
全曲オリジナルファンクの演奏お楽しみ下さい。

9月には!ソフトウインズjazzクインテット
ひさしぶりに祇園キャンディーで演奏させていただきます。
こちらは毎回マイクなしの生音です。

また詳しい案内掲載しますのでご都合よろしければ是非お越しください。

理想の音色にご期待下さい。Z